CEInfinite iCIEF-MS オンラインカップリングプラットフォーム

タンパク質の生物製剤の開発および生産過程において、翻訳後修飾 (Post-Translational Modification 、PTM) および分解により、標的タンパク質の電荷異性体(チャージバリアント)を発生する可能性があります。 現在、キャピラリー等電点電気泳動分析法 (CIEF) およびイメージング検出の CIEF (iCIEF) を利用してこの電荷異性体(チャージバリアント)を分析することが多い。 生物学的な電荷異性体(チャージバリアント)の特性評価は、細胞株の選択、安定性研究、製剤化、加工制御などの多くのライフサイクル段階で役に立ちますが、その特性評価を行うために、まずタンパク質試料中の電荷異性体(チャージバリアント)を十分な純度でそれぞれに分離する必要があります。

さらに、 iCIEF を質量分析計 (MS) に直接接続すると、電荷異性体(チャージバリアント)の分子量情報が得られるので、その特性評価プロセスが大幅に合理化されます。 

AES は、タンパク質のチャージバリアントを分取するための CEInfinite 分取 iCIEF システムとその分取用、さらに MS へのオンライン直接結合用の全カラムイメージング検出 (WCID) 分離カートリッジ をそれぞれ独自に開発しました。 WCID は、電荷異性体(チャージバリアント)の等電点濃縮過程とその次の各異性体の移動分取過程をそれぞれリアルタイムに観察できます。圧力による移動分取過程においても、分離キャピラリーに電場をかけているので、電荷異性体(チャージバリアント)は引き続き狭いゾーンに濃縮されたままです。 分離キャピラリーの内径 (ID) は大きくて移送キャピラリーの内径は小いので、この内径の違いにより、分離されたタンパク質のチャージバリアントがカートリッジから流出される際の再混合を最小限に抑えることができます。

NISTmAb のCEInfinite icIEF-MS 分析例

NISTmAbチャージバリアント(電荷異性体)のiCIEF のUV検出パタン(赤) とオンラインカップリングしたMSパタン (青) 。また、すべてのバリアントピークのMS スペクトルが綺麗に得られましたので、ほとんどの無傷の NISTmAb チャージバリアント(電荷異性体)をデコンボリューション解析できます。

CEInfinite iCIEF-MSのハイライト

iCIEFはThermo Fisher Scientific社、Waters社、Bruker社 の従来の低流量または高感度ナノフロー ESI と直接繋げれる。

んな緩衝液または溶液をメイクアップ媒体 として使用できます。 天然状態または変性したタンパク質、インタクトまたは消化したタンパク質のすべてが分析できます。 CIEFの化学的移動過程を必要としません。 チャージバリアント(電荷異性体)は、それぞれの pI 順番で溶出・検出されます。

存の iCIEF または CIEF メソッド(例えばICE3)を本装置のプラットフォームのメソッドに直接移行できます。 低いサンプル濃度でも高いサンプル濃度でも良好な分解能が得られます。

HRAM Orbitrap MS は、タンパク質の安定性の微妙な変化に確実な知見を提供します

“iCIEF は、バイオ医薬品開発中の荷電異性体(チャージバリアント)成分のモニタリングにおいて重要な役割を果たします。 CEInfinite は、iCIEF によって検出された荷電異性体(チャージバリアント)の質量(分子量)を読み取れますので、荷電異性体(チャージバリアント)の化学的性質を理解するのに非常に役立ちます。 CEInfinite とOrbitrap MS システムが提供する高分解能精密MS を組み合わせると、バイオ医薬品製品のバリアント成分及びその安定性について詳細な知見が得られます。

つまり、CEInfinite の iCIEF-MS はバイオ医薬品開発において非常に強力な特性評価ツールとなっています。”

– Dan Bach  Kristensen, Ph.D.

 シンフォジェンの主任研究員

JP